疲れたサラリーマンが近所の銭湯でリラックスしようとするが、中学生集団の騒がしさに邪魔される。サウナや水風呂でくつろぐ中、ふと目に入った一人の少年の規格外の“サイズ”に衝撃を受け、男としてのプライドが揺らぐユーモラスで自虐的な物語。
規格外の出来事に直面した一部始終
今日さ、仕事がマジでクソみたいに長引いて、家帰って自分の家の風呂沸かして入る気力すら残ってなかったんだわ。
だから帰り道にある、昔からやってる近所の銭湯に寄ったのね。
番台におばちゃんがいて、ケロリンの黄色い桶があるような、マジで普通の銭湯。
疲労困憊でさ、とにかく広い湯船に浸かって、サウナで汗流して、何も考えずにリセットしたかっただけなんだよ。
下駄箱に靴入れて、木札の鍵抜いて。
券売機でサウナ込みのチケット買って、番台の無愛想なおばちゃんに渡して暖簾をくぐった。
脱衣所に入った瞬間、俺の「静かに癒やされたい」っていうささやかな願いは完全に打ち砕かれた。
「おい、お前どこ使うの?」
「俺ここー。てかお前、ロッカーの鍵手首につける派?足首につける派?」
「足首に決まってんだろ。手首だと体洗う時ジャマじゃん」
「は?足首とかダサくね?銭湯エアプかよ」
「エアプってなんだよ、風呂にプロもアマもねーだろ!」
「ギャハハハ!」
中学生の集団だった。ざっと5人。
多分近所の中学校の部活帰りかなんかだと思う。
みんな坊主じゃなくて微妙にワックスでセットしてた名残があったから、サッカー部とかバスケ部あたりかもしれない。
とにかく声がデカい。元気すぎる。
こっちは残業続きでHP1の状態で、ただお湯に浸かりたいだけなのに。
『うわ、タイミング最悪じゃん……』
心の中で盛大に舌打ちしたよ。
でもまあ、公共の場だしな。
俺も中学生の頃は友達と銭湯行ってバカ騒ぎしてた記憶もあるし、そこは大人として我慢しようと思った。
俺はあいつらから一番離れた、入り口付近の角のロッカーを無言で開けて、逃げるように服を脱ぎ始めた。
「てか今日さー、あのガチャ引いた?」
「引いた!俺10連でSSR2枚抜きしたし!」
「マジで!?俺なんか石溶かして爆死したんだけど!ふざけんなよ!」
「お前日頃の行い悪いからだよ。昨日も掃除当番サボってたじゃん」
「関係ねーだろ!てかお前、俺のシャンプー勝手に使うなよ!」
「いいじゃん減るもんじゃねーし!」
「減るわ!液体なんだから物理的に減るだろ!」
「うるせー、ケチくせえ男だな。だから〇〇さんにフラれんだよ」
「は!?それ今関係ねーだろ!言うなよ!」
アホみたいな会話が脱衣所に響き渡る。
俺はパンツ一丁になりながら、心の中でツッコミを入れてた。
『お前ら、服脱ぐの遅すぎだろ……ずっと喋ってないで早く風呂行けよ』
俺はさっさとタオル一本持って、浴場に入った。
洗い場も結構空いてて、常連っぽいおじいちゃんが数人、黙々と体を洗ってるくらい。
俺は入り口から少し離れたシャワーの前に陣取って、頭を洗い始めた。
シャンプーを泡立てて、目を閉じて、今日の仕事の理不尽なクレームとか、上司の嫌味とかを全部洗い流すつもりでゴシゴシやってた。
ガラガラッ!
「うわ、めっちゃ滑る!危なっ!」
「走るなよバカ、おっちゃんに怒られるぞ」
「てか体洗うところどこにする?並んで座ろうぜ」
「キモいこと言うなよ、別にバラバラでいいだろ」
「えー、背中流し合いっこしようぜー」
「お前マジでそれキモいからやめろ」
さっきの5人組が浴場になだれ込んできた。
俺の静寂はわずか3分で終わった。
あいつら、わざわざ俺のナナメ後ろの列に一列に並んで座りやがった。
もうね、会話が全部聞こえてくるのよ。
「冷たっ!このシャワー水しか出ねえ!」
「お前それ青い方押してんじゃん、赤い方押せよ」
「あ、マジだ。てかこのシャワー、ずっと押しとかないと止まるタイプかよ。めんどくさ!」
「昭和かよ」
「ここ昭和からあるからな」
「今日さ、〇〇先生マジでウザくなかった?」
「あー、あの数学のやつ?宿題忘れたくらいであんなキレる?意味わかんねーし」
「それな。絶対自分の機嫌悪かっただけだよな。奥さんと喧嘩でもしたんじゃね?」
「あのハゲに奥さんいるの?奇跡じゃん」
「おい声デカいって!誰か聞いてたらどうすんだよ」
「こんなとこにうちの学校のやついねーよw」
俺(心の声:『俺、お前らの学校の卒業生なんだわ……〇〇先生ってまだいるんだな。あいつ昔から理不尽だったよな』)
謎のシンパシーを感じつつ、俺は黙々と体を洗っていた。
中学生たちの会話は、学校の愚痴からゲームの話、そしてお決まりの女子の話へと移っていった。
「なあ、ぶっちゃけクラスで誰が一番可愛いと思う?」
「出たよその話。俺は絶対、委員長の〇〇さん」
「えー、委員長?真面目すぎね?俺は隣のクラスの△△ちゃんかな。スタイルいいし」
「お前それ胸がデカいだけだろ!」
「男は結局そこなんだよ!お前もそうだろ!」
「まあ、否定はしないけど」
「最低だな」
「お前らそんな話ばっかしてると一生童貞だぞ」
「うるせー!お前もだろ!」
キャッキャウフフと騒ぎながら、あいつらは体を洗い終わったらしい。
「先サウナ行こうぜ!」
「おし、行こう!」
「俺サウナ苦手なんだけど……」
「いいから来いって!男の修行だ!」
あいつらがサウナに向かうのを見て、俺は少し時間をずらすことにした。
あの狭い密室であのテンションに巻き込まれるのはキツい。
とりあえず俺は普通の湯船にゆっくり浸かることにした。
熱めのお湯が、凝り固まった肩の筋肉をほぐしていく。
「あー……」って、おっさんみたいな声が無意識に出た。
天井の水滴を見つめながら、ぼーっとしてた。
10分くらい浸かって、少し体が火照ってきたところで、そろそろサウナ行くか、と立ち上がった。
あいつらが入ってからもう10分以上経つ。中学生がサウナの熱さに10分も耐えられるわけがない。そろそろ出てくる頃だろう。
だから帰り道にある、昔からやってる近所の銭湯に寄ったのね。
番台におばちゃんがいて、ケロリンの黄色い桶があるような、マジで普通の銭湯。
疲労困憊でさ、とにかく広い湯船に浸かって、サウナで汗流して、何も考えずにリセットしたかっただけなんだよ。
下駄箱に靴入れて、木札の鍵抜いて。
券売機でサウナ込みのチケット買って、番台の無愛想なおばちゃんに渡して暖簾をくぐった。
脱衣所に入った瞬間、俺の「静かに癒やされたい」っていうささやかな願いは完全に打ち砕かれた。
「おい、お前どこ使うの?」
「俺ここー。てかお前、ロッカーの鍵手首につける派?足首につける派?」
「足首に決まってんだろ。手首だと体洗う時ジャマじゃん」
「は?足首とかダサくね?銭湯エアプかよ」
「エアプってなんだよ、風呂にプロもアマもねーだろ!」
「ギャハハハ!」
中学生の集団だった。ざっと5人。
多分近所の中学校の部活帰りかなんかだと思う。
みんな坊主じゃなくて微妙にワックスでセットしてた名残があったから、サッカー部とかバスケ部あたりかもしれない。
とにかく声がデカい。元気すぎる。
こっちは残業続きでHP1の状態で、ただお湯に浸かりたいだけなのに。
『うわ、タイミング最悪じゃん……』
心の中で盛大に舌打ちしたよ。
でもまあ、公共の場だしな。
俺も中学生の頃は友達と銭湯行ってバカ騒ぎしてた記憶もあるし、そこは大人として我慢しようと思った。
俺はあいつらから一番離れた、入り口付近の角のロッカーを無言で開けて、逃げるように服を脱ぎ始めた。
「てか今日さー、あのガチャ引いた?」
「引いた!俺10連でSSR2枚抜きしたし!」
「マジで!?俺なんか石溶かして爆死したんだけど!ふざけんなよ!」
「お前日頃の行い悪いからだよ。昨日も掃除当番サボってたじゃん」
「関係ねーだろ!てかお前、俺のシャンプー勝手に使うなよ!」
「いいじゃん減るもんじゃねーし!」
「減るわ!液体なんだから物理的に減るだろ!」
「うるせー、ケチくせえ男だな。だから〇〇さんにフラれんだよ」
「は!?それ今関係ねーだろ!言うなよ!」
アホみたいな会話が脱衣所に響き渡る。
俺はパンツ一丁になりながら、心の中でツッコミを入れてた。
『お前ら、服脱ぐの遅すぎだろ……ずっと喋ってないで早く風呂行けよ』
俺はさっさとタオル一本持って、浴場に入った。
洗い場も結構空いてて、常連っぽいおじいちゃんが数人、黙々と体を洗ってるくらい。
俺は入り口から少し離れたシャワーの前に陣取って、頭を洗い始めた。
シャンプーを泡立てて、目を閉じて、今日の仕事の理不尽なクレームとか、上司の嫌味とかを全部洗い流すつもりでゴシゴシやってた。
ガラガラッ!
「うわ、めっちゃ滑る!危なっ!」
「走るなよバカ、おっちゃんに怒られるぞ」
「てか体洗うところどこにする?並んで座ろうぜ」
「キモいこと言うなよ、別にバラバラでいいだろ」
「えー、背中流し合いっこしようぜー」
「お前マジでそれキモいからやめろ」
さっきの5人組が浴場になだれ込んできた。
俺の静寂はわずか3分で終わった。
あいつら、わざわざ俺のナナメ後ろの列に一列に並んで座りやがった。
もうね、会話が全部聞こえてくるのよ。
「冷たっ!このシャワー水しか出ねえ!」
「お前それ青い方押してんじゃん、赤い方押せよ」
「あ、マジだ。てかこのシャワー、ずっと押しとかないと止まるタイプかよ。めんどくさ!」
「昭和かよ」
「ここ昭和からあるからな」
「今日さ、〇〇先生マジでウザくなかった?」
「あー、あの数学のやつ?宿題忘れたくらいであんなキレる?意味わかんねーし」
「それな。絶対自分の機嫌悪かっただけだよな。奥さんと喧嘩でもしたんじゃね?」
「あのハゲに奥さんいるの?奇跡じゃん」
「おい声デカいって!誰か聞いてたらどうすんだよ」
「こんなとこにうちの学校のやついねーよw」
俺(心の声:『俺、お前らの学校の卒業生なんだわ……〇〇先生ってまだいるんだな。あいつ昔から理不尽だったよな』)
謎のシンパシーを感じつつ、俺は黙々と体を洗っていた。
中学生たちの会話は、学校の愚痴からゲームの話、そしてお決まりの女子の話へと移っていった。
「なあ、ぶっちゃけクラスで誰が一番可愛いと思う?」
「出たよその話。俺は絶対、委員長の〇〇さん」
「えー、委員長?真面目すぎね?俺は隣のクラスの△△ちゃんかな。スタイルいいし」
「お前それ胸がデカいだけだろ!」
「男は結局そこなんだよ!お前もそうだろ!」
「まあ、否定はしないけど」
「最低だな」
「お前らそんな話ばっかしてると一生童貞だぞ」
「うるせー!お前もだろ!」
キャッキャウフフと騒ぎながら、あいつらは体を洗い終わったらしい。
「先サウナ行こうぜ!」
「おし、行こう!」
「俺サウナ苦手なんだけど……」
「いいから来いって!男の修行だ!」
あいつらがサウナに向かうのを見て、俺は少し時間をずらすことにした。
あの狭い密室であのテンションに巻き込まれるのはキツい。
とりあえず俺は普通の湯船にゆっくり浸かることにした。
熱めのお湯が、凝り固まった肩の筋肉をほぐしていく。
「あー……」って、おっさんみたいな声が無意識に出た。
天井の水滴を見つめながら、ぼーっとしてた。
10分くらい浸かって、少し体が火照ってきたところで、そろそろサウナ行くか、と立ち上がった。
あいつらが入ってからもう10分以上経つ。中学生がサウナの熱さに10分も耐えられるわけがない。そろそろ出てくる頃だろう。
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そう思ってサウナ室のドアに手をかけた瞬間、中からドアがバコン!と開いた。
「あっつ!!!マジで死ぬ!!!」
「お前5分しか経ってねーじゃん!!」
「無理無理無理!肺が焼ける!!」
「ダッサ!俺まだ全然余裕だし!」
「お前も顔真っ赤じゃねーか!強がるなよ!」
汗だくの5人組が、先を争うようにサウナ室から転がり出てきた。
俺は邪魔にならないように一歩下がって、あいつらが通り過ぎるのを待った。
「水風呂!水風呂!」
「おい、かけ湯しろよ!マナーだぞ!」
「わかってるよ!」
バシャバシャ!と適当に汗を流したあいつらは、そのまま水風呂へダイブしていった。
「冷たああああああ!!!」
「ヤバい!心臓止まる!!」
「お前肩まで入れって!サウナの後はこれがいいんだよ!」
「誰だよこんな拷問考えたやつ!!」
俺はあいつらを横目に、誰もいなくなったサウナ室にゆっくりと入った。
テレビではバラエティ番組がやってて、適当な芸人が食レポをしてる。
静かだ。やっと本来の銭湯の時間が来た。
温度計は90度。いい感じだ。
じわじわと汗が出てくるのを感じながら、さっきまであいつらが座ってたであろうサウナマットの乱れを見て、なんか少し笑えてきた。
若いっていいな、と。
悩みなんて明日の小テストと、ガチャの確率と、クラスの女子のことくらいなんだろうな、と。
そんなことを考えながら、俺は12分、きっちりサウナで汗を流した。
限界まで温まった体を冷やすため、俺はサウナを出た。
かけ湯で汗をしっかり流して、水風呂へ向かう。
さっきの中学生たちは、まだ水風呂の周りでウダウダやっていた。
「俺もう一回サウナ行くわ」
「は?マジで?お前ドMかよ」
「いや、なんか整うっていうの?あれやってみたいんだよ」
「整うとかお前、絶対意味わかってないだろw」
俺は彼らの邪魔をしないように、水風呂の端っこの方に静かに入った。
「はぁ〜……」
冷たい水が、火照った体を一気に引き締める。
この瞬間がたまらない。仕事の疲れが全部抜けていく気がする。
俺が目を閉じて水風呂の冷たさを堪能していると、すぐ横で中学生たちの声がした。
「じゃあ俺ももう一回入ろっかな」
「お前さっき死にそうになってたじゃん」
「今度は一番下に座るから大丈夫だし!」
「よし、じゃあみんなで行こうぜ!」
彼らが再びサウナに向かうため、水風呂から立ち上がった、その時だった。
ふと、俺の視界の端に何かが映り込んだ。
『……ん?』
俺は水風呂に肩まで浸かりながら、何気なくそっちを見た。
5人組の中で一番背が高いやつ。さっき「委員長が可愛い」とか言ってたやつだ。
声変わりもまだ完全に終わってないような、ちょっと高めの声で笑ってる、いかにも中学生って感じの顔立ちのやつ。
そいつの下半身が、何の気なしに目に入ったんだ。
俺はゲイじゃない。マジでそっちの趣味は1ミリもない。
男の裸なんか見ても、普段は「あ、おっさん太ってんな」とか「あの人腹筋割れてんな」くらいしか思わない。
他人の股間なんかマジでどうでもいいし、見ようとも思わない。
でも、その時ばかりは。
俺は、自分の目を疑って、思わず凝視してしまった。
『……え?』
『え?え?え?』
『嘘だろ……?』
水風呂の縁に立っているその中学生の股間。
そこにぶら下がっているモノが。
尋常じゃなく、デカかった。
いや、ちょっと待ってくれ。
エロい意味じゃないんだ。そういう目で見たわけじゃない。
純粋な、ただただ純粋な、生物学的驚異としての驚きだ。
皮は被っていた。
完全に、先っぽまでしっかり余った皮に包まれている。いわゆるズルムケではない。
そこは非常に中学生らしいというか、年齢相応の見た目だった。
でも、その皮の中に詰まっている「質量」が、俺の知っている物理法則を完全に無視していた。
太さ。
そして、長さ。
重力に従ってだらんと垂れ下がっているソレは、まるで立派なナスのような、あるいは子供の腕のような、異様な存在感を放っていた。
『え、あれで平常時?』
俺の頭の中で、謎の計算が始まった。
平常時であのサイズということは、あれがもし、もし仮に何かの拍子で本気を出したら、どうなるんだ?
あの余っている皮が剥けきって、真の姿を現した時、どれほどの巨大なバケモノが誕生するんだ?
『いやいやいや、見間違いだろ』
俺は水風呂の冷たさで幻覚でも見ているのかと思い、パチパチと瞬きをして、もう一度盗み見た。
いや、やっぱりデカい。
隣にいる友達のモノと比べても、明らかに大人と子供……いや、もはや別の生き物レベルでサイズが違う。
「早く行こうぜー!」
「お前が遅いんだろ!」
その「バケモノ」の持ち主は、自分の股間にそんな規格外のポテンシャルを秘めていることなど全く気にする素振りも見せず、無邪気に笑いながらサウナへと歩いていった。
その一歩一歩の動きに合わせて、ソレが重たそうに揺れている。
ドサッ、ドサッ、と音が聞こえてきそうなほどの重量感。
俺は水風呂の中で、完全にフリーズしていた。
冷たい水に浸かっているはずなのに、頭の中がショートしたみたいに熱かった。
『俺は……今まで何を誇りに生きてきたんだ?』
意味のわからない敗北感が、俺の全身を貫いた。
俺はもうすぐ30になる。
仕事ではそこそこ後輩もできて、プロジェクトのリーダーとかも任されるようになって、大人の男としてそれなりに自信を持って生きてきたつもりだった。
給料だって悪くないし、ボーナスでちょっといい時計を買ったりして、「俺もいっぱしの男になったな」なんて思っていた。
でも、あのバケモノの前では、俺のそんなちっぽけなプライドなんて、何の意味もなかった。
『勝てない……』
生物として。
オスとして。
圧倒的な才能の差を見せつけられた。
俺がどれだけ仕事で頑張っても、どれだけ高い時計をつけても、あの無邪気な中学生が持っている「持って生まれた絶対的な才能」には、逆立ちしたって勝てないのだ。
俺は水風呂の中で、そっと自分の股間に視線を落とした。
冷水で限界まで縮こまった、哀れな俺の相棒。
普段から決して大きい方ではないと自覚していたが、今この瞬間、それはただの「しらす」にしか見えなかった。
『ごめんな……俺が不甲斐ないばかりに……』
誰に対して謝っているのか自分でもわからなかったが、とにかく泣きたくなった。
サウナ室のドアの向こうから、またあいつらの笑い声が聞こえてくる。
「熱っ!やっぱ無理!!」
「お前さっきより早くねーか!?」
俺はもう、サウナに行く気力すら失っていた。
ただただ、水風呂の端っこで、虚無の表情で中空を見つめることしかできなかった。
数分後、再びサウナから転がり出てきた中学生たちが、また水風呂にダイブしてきた。
「うおおおお!!冷てえええ!!」
「やっぱこれ最高だわ!!」
バシャバシャと水を跳ね上げるあいつら。
俺はもう、彼らを直視することができなかった。
特に、あの「委員長推し」の彼を。
彼が水風呂に入ってくるたびに、俺は無意識に視線を逸らした。
『見るな。俺はゲイじゃない。中学生の下半身を凝視するアラサー男とか、完全に通報事案だ。気持ち悪いだろ俺』
そう自分に言い聞かせながら、必死に天井のシミの数を数えようとした。
でも、ダメなんだ。
人間の脳ってのは、一度「規格外のもの」を認識してしまうと、どうしても確認したくなってしまうらしい。
「あー、マジで気持ちいいわー」
隣でため息をつく彼。
俺は、首を動かさずに、目玉だけを限界まで横にスライドさせて、再び彼の股間を盗み見た。
『……やっぱデカい。』
お湯で温まったわけでもなく、冷たい水風呂に入っているのに。
普通なら寒さで縮こまるはずの環境下でも、あのバケモノは堂々たるサイズをキープしていた。
環境変化にすら動じない強靭な個体。
まさにエリート。選ばれし者。
『あいつの将来の彼女……受け止めきれるのか?』
俺の脳内で、全く関係のない未来のあいつの彼女に対する謎の心配まで湧き上がってきた。
いや、完全に余計なお世話だ。
むしろ、あいつは将来、あのバケモノを武器にして、俺なんか到底手の届かないような美女を抱きまくるのかもしれない。
委員長どころか、学年一の美少女、いや、もっとすごい芸能人レベルの女を……。
「なあ、風呂上がったら何飲む?」
「俺絶対コーラ!」
「俺はフルーツ牛乳かなー」
「お前フルーツ牛乳とか女子かよw 俺はオロナミンC一択だわ」
俺の横で、そんなアホみたいな会話をしている彼ら。
あのバケモノを股間にぶら下げながら「フルーツ牛乳かなー」って……。
この世界のバグか何かか? アンバランスすぎるだろ。
俺はもう、これ以上この空間にいると自分の精神が崩壊すると思い、逃げるように水風呂から出た。
体を拭いて、逃げるように脱衣所へ向かった。
脱衣所に出ると、あのバケモノの衝撃から少しだけ解放されて、冷静さを取り戻しつつあった。
『いやいや、落ち着け俺。ただ他人のモノがデカかっただけだろ。俺の人生に何の影響もない。明日も仕事だ。あのクレーム処理もしなきゃいけないんだ。』
そう自分に言い聞かせながら、ロッカーを開けて服を着始めた。
パンツを履く時、いつもより少しだけ悲しい気持ちになったのは否めないが。
服を着終わって、洗面台の鏡で自分の顔を見た。
残業明けの、目の下にクマを作った疲れたアラサー男がそこにいた。
「はぁ……」
特大のため息をついて、俺はドライヤーで髪を乾かし始めた。
そこへ、あいつらが風呂から上がってきた。
「あー、マジで整ったわー!」
「お前絶対整うの意味わかってないって!」
「てかお前、体ちゃんと拭けよ!床濡れんじゃん!」
「拭いたし!てか早くドライヤー貸せよ!」
俺の横の洗面台に、5人組が群がってきた。
例の彼が、俺のすぐ隣のドライヤーを使い始めた。
「お前、そんなセットしてどうすんの?帰って寝るだけだろ」
「いや、俺癖毛だから、ちゃんと乾かさないと明日爆発するんだよ。委員長に変な髪型見られたくないし」
「お前マジで委員長好きだな!キモいって!」
「うるせー!純愛だろ!」
ドライヤーの風を当てながら、癖毛を気にして前髪をいじる彼。
俺(心の声:『あんなバケモノを飼い慣らしているのに、委員長への純愛を語り、癖毛を気にする中学生……神様、ステータス配分間違ってませんか?』)
俺はもう、何もかもがどうでもよくなってきた。
ドライヤーを元の位置に戻し、自販機でコーヒー牛乳を買った。
普段なら一気飲みするところだが、今日はなんだか味がしなかった。
「おっちゃん、フルーツ牛乳一本!」
「俺コーラ!」
番台のおばちゃんにお金を払って、瓶の牛乳を一気飲みする中学生たち。
「ぷはー!うめえ!!」
「明日も部活ダルいなー」
「サボろうぜー」
彼らの日常は、これからもずっと続いていく。
俺があの規格外のバケモノに一人で勝手に敗北感を感じていたことなど、彼らは知る由もない。
「じゃあな、おっちゃん!」
「ありがとうございましたー!」
元気よく番台のおばちゃんに挨拶して、あいつらは銭湯を出て行った。
俺は空になったコーヒー牛乳の瓶をゴミ箱に捨てて、ゆっくりと外に出た。
夜風が冷たかった。
風呂上がりで火照った体にはちょうどいいはずなのに、なんだかとても寒く感じた。
帰り道、俺はずっと考えていた。
男の価値って、なんだろう。
仕事ができること? 金を持っていること? 優しいこと? それとも……。
いや、考えるのはやめよう。
俺は俺の人生を生きるしかない。
あのバケモノは、俺とは違う世界線を生きる存在なんだ。
ただ、一つだけ言えることがある。
もし明日、仕事で上司に理不尽に怒られたり、クライアントからクソみたいな要求をされたりしても、俺はきっと心の中でこう思うだろう。
『俺がどれだけ怒られても、あの近所の中学生の「平常時」には勝てないんだよな……』
意味不明だが、謎の悟りを開いたような、妙なスッキリ感があった。
男としてのプライドはズタズタにされたが、逆に吹っ切れたというか。
明日から、また地道に生きていこうと思う。
という、マジでどうでもいい、誰にも言えない銭湯での出来事でした。
長々と読んでくれてありがとう。
俺はもう寝るわ。みんなも、他人の股間と自分の股間を比べるのはやめとけよ。マジで虚しくなるだけだから。
「あっつ!!!マジで死ぬ!!!」
「お前5分しか経ってねーじゃん!!」
「無理無理無理!肺が焼ける!!」
「ダッサ!俺まだ全然余裕だし!」
「お前も顔真っ赤じゃねーか!強がるなよ!」
汗だくの5人組が、先を争うようにサウナ室から転がり出てきた。
俺は邪魔にならないように一歩下がって、あいつらが通り過ぎるのを待った。
「水風呂!水風呂!」
「おい、かけ湯しろよ!マナーだぞ!」
「わかってるよ!」
バシャバシャ!と適当に汗を流したあいつらは、そのまま水風呂へダイブしていった。
「冷たああああああ!!!」
「ヤバい!心臓止まる!!」
「お前肩まで入れって!サウナの後はこれがいいんだよ!」
「誰だよこんな拷問考えたやつ!!」
俺はあいつらを横目に、誰もいなくなったサウナ室にゆっくりと入った。
テレビではバラエティ番組がやってて、適当な芸人が食レポをしてる。
静かだ。やっと本来の銭湯の時間が来た。
温度計は90度。いい感じだ。
じわじわと汗が出てくるのを感じながら、さっきまであいつらが座ってたであろうサウナマットの乱れを見て、なんか少し笑えてきた。
若いっていいな、と。
悩みなんて明日の小テストと、ガチャの確率と、クラスの女子のことくらいなんだろうな、と。
そんなことを考えながら、俺は12分、きっちりサウナで汗を流した。
限界まで温まった体を冷やすため、俺はサウナを出た。
かけ湯で汗をしっかり流して、水風呂へ向かう。
さっきの中学生たちは、まだ水風呂の周りでウダウダやっていた。
「俺もう一回サウナ行くわ」
「は?マジで?お前ドMかよ」
「いや、なんか整うっていうの?あれやってみたいんだよ」
「整うとかお前、絶対意味わかってないだろw」
俺は彼らの邪魔をしないように、水風呂の端っこの方に静かに入った。
「はぁ〜……」
冷たい水が、火照った体を一気に引き締める。
この瞬間がたまらない。仕事の疲れが全部抜けていく気がする。
俺が目を閉じて水風呂の冷たさを堪能していると、すぐ横で中学生たちの声がした。
「じゃあ俺ももう一回入ろっかな」
「お前さっき死にそうになってたじゃん」
「今度は一番下に座るから大丈夫だし!」
「よし、じゃあみんなで行こうぜ!」
彼らが再びサウナに向かうため、水風呂から立ち上がった、その時だった。
ふと、俺の視界の端に何かが映り込んだ。
『……ん?』
俺は水風呂に肩まで浸かりながら、何気なくそっちを見た。
5人組の中で一番背が高いやつ。さっき「委員長が可愛い」とか言ってたやつだ。
声変わりもまだ完全に終わってないような、ちょっと高めの声で笑ってる、いかにも中学生って感じの顔立ちのやつ。
そいつの下半身が、何の気なしに目に入ったんだ。
俺はゲイじゃない。マジでそっちの趣味は1ミリもない。
男の裸なんか見ても、普段は「あ、おっさん太ってんな」とか「あの人腹筋割れてんな」くらいしか思わない。
他人の股間なんかマジでどうでもいいし、見ようとも思わない。
でも、その時ばかりは。
俺は、自分の目を疑って、思わず凝視してしまった。
『……え?』
『え?え?え?』
『嘘だろ……?』
水風呂の縁に立っているその中学生の股間。
そこにぶら下がっているモノが。
尋常じゃなく、デカかった。
いや、ちょっと待ってくれ。
エロい意味じゃないんだ。そういう目で見たわけじゃない。
純粋な、ただただ純粋な、生物学的驚異としての驚きだ。
皮は被っていた。
完全に、先っぽまでしっかり余った皮に包まれている。いわゆるズルムケではない。
そこは非常に中学生らしいというか、年齢相応の見た目だった。
でも、その皮の中に詰まっている「質量」が、俺の知っている物理法則を完全に無視していた。
太さ。
そして、長さ。
重力に従ってだらんと垂れ下がっているソレは、まるで立派なナスのような、あるいは子供の腕のような、異様な存在感を放っていた。
『え、あれで平常時?』
俺の頭の中で、謎の計算が始まった。
平常時であのサイズということは、あれがもし、もし仮に何かの拍子で本気を出したら、どうなるんだ?
あの余っている皮が剥けきって、真の姿を現した時、どれほどの巨大なバケモノが誕生するんだ?
『いやいやいや、見間違いだろ』
俺は水風呂の冷たさで幻覚でも見ているのかと思い、パチパチと瞬きをして、もう一度盗み見た。
いや、やっぱりデカい。
隣にいる友達のモノと比べても、明らかに大人と子供……いや、もはや別の生き物レベルでサイズが違う。
「早く行こうぜー!」
「お前が遅いんだろ!」
その「バケモノ」の持ち主は、自分の股間にそんな規格外のポテンシャルを秘めていることなど全く気にする素振りも見せず、無邪気に笑いながらサウナへと歩いていった。
その一歩一歩の動きに合わせて、ソレが重たそうに揺れている。
ドサッ、ドサッ、と音が聞こえてきそうなほどの重量感。
俺は水風呂の中で、完全にフリーズしていた。
冷たい水に浸かっているはずなのに、頭の中がショートしたみたいに熱かった。
『俺は……今まで何を誇りに生きてきたんだ?』
意味のわからない敗北感が、俺の全身を貫いた。
俺はもうすぐ30になる。
仕事ではそこそこ後輩もできて、プロジェクトのリーダーとかも任されるようになって、大人の男としてそれなりに自信を持って生きてきたつもりだった。
給料だって悪くないし、ボーナスでちょっといい時計を買ったりして、「俺もいっぱしの男になったな」なんて思っていた。
でも、あのバケモノの前では、俺のそんなちっぽけなプライドなんて、何の意味もなかった。
『勝てない……』
生物として。
オスとして。
圧倒的な才能の差を見せつけられた。
俺がどれだけ仕事で頑張っても、どれだけ高い時計をつけても、あの無邪気な中学生が持っている「持って生まれた絶対的な才能」には、逆立ちしたって勝てないのだ。
俺は水風呂の中で、そっと自分の股間に視線を落とした。
冷水で限界まで縮こまった、哀れな俺の相棒。
普段から決して大きい方ではないと自覚していたが、今この瞬間、それはただの「しらす」にしか見えなかった。
『ごめんな……俺が不甲斐ないばかりに……』
誰に対して謝っているのか自分でもわからなかったが、とにかく泣きたくなった。
サウナ室のドアの向こうから、またあいつらの笑い声が聞こえてくる。
「熱っ!やっぱ無理!!」
「お前さっきより早くねーか!?」
俺はもう、サウナに行く気力すら失っていた。
ただただ、水風呂の端っこで、虚無の表情で中空を見つめることしかできなかった。
数分後、再びサウナから転がり出てきた中学生たちが、また水風呂にダイブしてきた。
「うおおおお!!冷てえええ!!」
「やっぱこれ最高だわ!!」
バシャバシャと水を跳ね上げるあいつら。
俺はもう、彼らを直視することができなかった。
特に、あの「委員長推し」の彼を。
彼が水風呂に入ってくるたびに、俺は無意識に視線を逸らした。
『見るな。俺はゲイじゃない。中学生の下半身を凝視するアラサー男とか、完全に通報事案だ。気持ち悪いだろ俺』
そう自分に言い聞かせながら、必死に天井のシミの数を数えようとした。
でも、ダメなんだ。
人間の脳ってのは、一度「規格外のもの」を認識してしまうと、どうしても確認したくなってしまうらしい。
「あー、マジで気持ちいいわー」
隣でため息をつく彼。
俺は、首を動かさずに、目玉だけを限界まで横にスライドさせて、再び彼の股間を盗み見た。
『……やっぱデカい。』
お湯で温まったわけでもなく、冷たい水風呂に入っているのに。
普通なら寒さで縮こまるはずの環境下でも、あのバケモノは堂々たるサイズをキープしていた。
環境変化にすら動じない強靭な個体。
まさにエリート。選ばれし者。
『あいつの将来の彼女……受け止めきれるのか?』
俺の脳内で、全く関係のない未来のあいつの彼女に対する謎の心配まで湧き上がってきた。
いや、完全に余計なお世話だ。
むしろ、あいつは将来、あのバケモノを武器にして、俺なんか到底手の届かないような美女を抱きまくるのかもしれない。
委員長どころか、学年一の美少女、いや、もっとすごい芸能人レベルの女を……。
「なあ、風呂上がったら何飲む?」
「俺絶対コーラ!」
「俺はフルーツ牛乳かなー」
「お前フルーツ牛乳とか女子かよw 俺はオロナミンC一択だわ」
俺の横で、そんなアホみたいな会話をしている彼ら。
あのバケモノを股間にぶら下げながら「フルーツ牛乳かなー」って……。
この世界のバグか何かか? アンバランスすぎるだろ。
俺はもう、これ以上この空間にいると自分の精神が崩壊すると思い、逃げるように水風呂から出た。
体を拭いて、逃げるように脱衣所へ向かった。
脱衣所に出ると、あのバケモノの衝撃から少しだけ解放されて、冷静さを取り戻しつつあった。
『いやいや、落ち着け俺。ただ他人のモノがデカかっただけだろ。俺の人生に何の影響もない。明日も仕事だ。あのクレーム処理もしなきゃいけないんだ。』
そう自分に言い聞かせながら、ロッカーを開けて服を着始めた。
パンツを履く時、いつもより少しだけ悲しい気持ちになったのは否めないが。
服を着終わって、洗面台の鏡で自分の顔を見た。
残業明けの、目の下にクマを作った疲れたアラサー男がそこにいた。
「はぁ……」
特大のため息をついて、俺はドライヤーで髪を乾かし始めた。
そこへ、あいつらが風呂から上がってきた。
「あー、マジで整ったわー!」
「お前絶対整うの意味わかってないって!」
「てかお前、体ちゃんと拭けよ!床濡れんじゃん!」
「拭いたし!てか早くドライヤー貸せよ!」
俺の横の洗面台に、5人組が群がってきた。
例の彼が、俺のすぐ隣のドライヤーを使い始めた。
「お前、そんなセットしてどうすんの?帰って寝るだけだろ」
「いや、俺癖毛だから、ちゃんと乾かさないと明日爆発するんだよ。委員長に変な髪型見られたくないし」
「お前マジで委員長好きだな!キモいって!」
「うるせー!純愛だろ!」
ドライヤーの風を当てながら、癖毛を気にして前髪をいじる彼。
俺(心の声:『あんなバケモノを飼い慣らしているのに、委員長への純愛を語り、癖毛を気にする中学生……神様、ステータス配分間違ってませんか?』)
俺はもう、何もかもがどうでもよくなってきた。
ドライヤーを元の位置に戻し、自販機でコーヒー牛乳を買った。
普段なら一気飲みするところだが、今日はなんだか味がしなかった。
「おっちゃん、フルーツ牛乳一本!」
「俺コーラ!」
番台のおばちゃんにお金を払って、瓶の牛乳を一気飲みする中学生たち。
「ぷはー!うめえ!!」
「明日も部活ダルいなー」
「サボろうぜー」
彼らの日常は、これからもずっと続いていく。
俺があの規格外のバケモノに一人で勝手に敗北感を感じていたことなど、彼らは知る由もない。
「じゃあな、おっちゃん!」
「ありがとうございましたー!」
元気よく番台のおばちゃんに挨拶して、あいつらは銭湯を出て行った。
俺は空になったコーヒー牛乳の瓶をゴミ箱に捨てて、ゆっくりと外に出た。
夜風が冷たかった。
風呂上がりで火照った体にはちょうどいいはずなのに、なんだかとても寒く感じた。
帰り道、俺はずっと考えていた。
男の価値って、なんだろう。
仕事ができること? 金を持っていること? 優しいこと? それとも……。
いや、考えるのはやめよう。
俺は俺の人生を生きるしかない。
あのバケモノは、俺とは違う世界線を生きる存在なんだ。
ただ、一つだけ言えることがある。
もし明日、仕事で上司に理不尽に怒られたり、クライアントからクソみたいな要求をされたりしても、俺はきっと心の中でこう思うだろう。
『俺がどれだけ怒られても、あの近所の中学生の「平常時」には勝てないんだよな……』
意味不明だが、謎の悟りを開いたような、妙なスッキリ感があった。
男としてのプライドはズタズタにされたが、逆に吹っ切れたというか。
明日から、また地道に生きていこうと思う。
という、マジでどうでもいい、誰にも言えない銭湯での出来事でした。
長々と読んでくれてありがとう。
俺はもう寝るわ。みんなも、他人の股間と自分の股間を比べるのはやめとけよ。マジで虚しくなるだけだから。

